スタジオジブリの原点を振り返る展覧会「アニメージュとジブリ展」開催決定!「風の谷のナウシカ」の貴重なセル画が初公開
Wednesday 14:43
スタジオジブリの原点を振り返る展覧会「アニメージュとジブリ展 一冊の雑誌からジブリは始まった」の開催が決定しました!
2021年4月15日(木)より、東京・松屋銀座を皮切りに全国を巡回予定です。
本展示では、鈴木敏夫さんが編集した1989年11月号までの12年弱にわたる「アニメージュ」をもとに、「機動戦士ガンダム」(79年)を軸とした爆発的なアニメブームから「風の谷のナウシカ」(84年)の成功、そしてスタジオジブリ誕生と「天空の城ラピュタ」(86年)までを振り返ります。
アニメが、”子供が見るもの”という認識から、”自分たちに向けられた作品”という認識に変化した若者が出現してきた時代に、ファンと作り手の架け橋となる日本初の商業アニメ専門誌として生まれた「アニメージュ」。
当時、才能のある作家たちを発掘し、紙面で取り上げることで、彼らに焦点を当て世に送り出していた「アニメージュ」と鈴木さんは、宮崎駿監督と高畑勲監督を見つけ出します。
それは、「風の谷のナウシカ」を生み出し、その後のジブリ作品につながっていきました。
本展覧会では、そうした鈴木敏夫さんのプロデュース術や、仕事術の一端も明らかになります。
2021年4月15日(木)〜5月5日(祝・水)の期間、松屋銀座8階イベントスクエアにて開催される本展覧会は、現在チケットの抽選先行受付中です。
全日日時指定制ですので、チケットをご用意の上、ぜひ足を運んでみてください。
開催概要
「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった
【開催期間】
2021年4月15日(木)〜5月5日(水)
【会場】
東京会場 松屋銀座 8階イベントスクエア
2021年夏に宮城石巻市にて開催予定
※宮城会場の詳細やその他会場は順次告知予定
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況により、開催日時が変更となる場合がございます。
【企画制作】
株式会社ニュートラルコーポレーション
【企画協力】
株式会社スタジオジブリ・三鷹の森ジブリ美術館
【協力】
株式会社徳間書店
展示詳細
本展覧会では1970年代末から1980年代のスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんの、“編集者”としての「もう一つの仕事」に焦点をあて、スタジオジブリの原点を振り返ります。
今回は展覧会の中でもアニメージュの流れを追う4つのエリアと展示物を紹介します。
アニメージュ誕生!「テレビまんが」からアニメブームへ
1970年代後半のアニメブームの勃興期を、当時のアニメ映画ポスター、アニメグッズ、セル画コレクションなどの展示から振り返ります。
「テレビまんが」としてひとくくりにされ、「アニメ」という言葉すら定かでなかった時代に、自分たちの手で同人誌を作り、ファン同士で交流を深め、そして時にはアニメスタジオを訪問し作り手と交流さえしていた若者たちがいました。
そういう時代背景と、彼らの熱気があって、日本初の商業アニメ専門誌「アニメージュ」が生まれました。
本エリアでは、「アニメージュ」に先行して存在していたアニメ関連出版物も広く展示することで、「アニメージュ」の他にない独自性を示します。
アニメージュは私たちにすべてを教えてくれたガンダムが変えた歴史
1979年4月から放送が開始されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」に「アニメージュ」は注目し、雑誌をあげて全面的に応援しました。
「ガンダム」を作っているのはどんな人たちなのか、富野喜幸(由悠季)監督をはじめ、美術・デザインに係る人々や作品に命を吹き込む声優の人々を、繰り返し特集で取り上げました。
読者は、初めてアニメを誰がどのように作っているのかを知り、作品と同じように「作家」たちにも熱い視線を送るようになったのです。
本エリアでは、「アニメージュ」がガンダムブームをどう伝え、ファンがどう受け止めたのかを誌面の再現や当時の制作資料で振り返ります。
また、ガンダムブームのもうひとつの表れである「ガンプラ(ガンダムのプラモデル)」に注目し、初期ガンプラによる「機動戦士ガンダム」の名シーンを立体で表現したジオラマも展示します。
加速するアニメブーム拡大するアニメージュ
ガンダムによって加速したアニメブームは、若い作り手が参加した作品が増えるなど、さらなる発展を続けます。
「アニメージュ」にも、鈴木敏夫さんの方針でファンと同世代のアルバイトスタッフが大量に投入され活気づきます。
また「アニメージュ」の活動は範囲を広げ、ファンとの大規模な交流イベントやラジオ番組、レコードやビデオが生まれ、出版物も文庫本やムック本などが続々と発刊されます。
雑誌の枠を超えた拡大は、いずれ自身が主導するアニメ作品制作へとつながっていくのです。
本エリアでは、鈴木さんの志向性が色濃く出た「表紙」と「付録」のギャラリーをお楽しみいただけます。
特に、付録は「情報誌」には珍しく、市販品よりも凝ったグッズや冊子、ポスターなどが毎月ついていました。
かつてのファンにはたまらなく懐かしい、貴重な付録や広告物を展示します。
ナウシカへの道一冊の雑誌から映画が誕生
鈴木さんは、「アニメージュ」の編集を通じて、二人の作家と出会いました。
高畑勲と宮崎駿、アニメージュの創刊号で特集した日本のアニメーション史に残る名作「太陽の王子ホルスの大冒険」を中心で生み出した二人です。
鈴木さんは、ガンダムや宇宙戦艦ヤマトなどの松本零士アニメが大人気だった81年8月号に宮崎駿監督の31ページにもわたる大特集を掲載したのを契機に、一気に高畑・宮崎らに寄りそう路線をとることを宣言したのです。
本エリアでは、82年2月号の原作マンガ連載開始を経て、84年に映画「風の谷のナウシカ」が誕生するまでの道のりを振り返ります。
さらに、今まで紹介されることの少なかった、貴重なレイアウトや原画、美術ボードなどの資料を、その描き手が「アニメージュ」でどう紹介されてきたか、という視点から多数展示します。
中でも、また、「アニメージュ」という雑誌から映像制作が始まったという表れとして、徳間書店制作の他の映像作品をまとめて紹介。
鈴木さんが力を入れた押井守監督作品「天使のたまご」の貴重な資料展示や、今回初公開となる「風の谷のナウシカ」のセル画にも注目です。
© 1984 Studio Ghibli・ H
© 1984 Studio Ghibli・H