「わかりみ」「やばみ」の意味は?“ーみ”の由来は?「若者ことば」を大真面目に解説したらわかりみが深い
Tuesday 20:00
「やばみ」「わかりみ」など、最近の“若者ことば”にみられる「―み」はどこから来たのか、みなさんはご存知ですか?
こちらの疑問を大真面目に分析している記事が公開され、「納得み」「わかりみが深い」など、一時はTwitterでトレンド入りするほど話題になりました!
オタクもついつい使ってしまいがちな言葉ですので、過去の記事を一部再編集してお届けします。
「わかりみ」などに使われる「―み」の解説は、国立国語研究所が運営するサイト「ことば研究館」の「よくあることばの質問コーナー」にて掲載されました。
質問者の「若者ことばの「やばみ」や「うれしみ」の「み」はどこから来ているものですか」という問に、大学の准教授である茂木俊伸さんが回答しています。
私が書いた少し軽めの文章が公開されました。
「若者ことばの「やばみ」や「うれしみ」の「み」はどこから来ているものですか」(ことば研究館,2018.6.11)https://t.co/6GHE7ulnfQ
やばみな例文のチェックにご協力いただいた学生のみなさま,この場を借りてありがたみをお伝えします。 https://t.co/3NTe5ksIao
— 茂木@主に連絡用 (@tmogi_nichibun) June 12, 2018
「やばみ」「うれしみ」などの表現の由来は?
従来では、「―み」は主に形容詞の後に付いて名詞を作る働きを持つ「接尾辞」です。
形容詞に「―み」を付けて作られる名詞には「悲しみ」「うまみ」などがあり、この用法は辞書にも載っています。
本来は「―み」ではなく、同じく名詞を作る接尾辞「―さ」を付けて「やばさ」「うれしさ」のような形で名詞化する必要があるとのことです。
名詞化するなら、なぜ「―さ」ではなく「―み」を使うのか
茂木さんによると、理由は「若者ことばで重視される面白さや新鮮さが動機として考えられます」とのことです。
逸脱的な表現「―み」を使うことで、冗談めかした「ネタ」として自分の感情や欲求を見せることができます。
このときの「逸脱」は、日本語の文法ルールから見るとそれほど大きなものではなく、「―さ」による名詞化は「その状態である様子」という単純な意味の名詞を作ります。
対して「―み」による名詞化は「甘み」(=甘い味)といった特別な意味を表す名詞を作ります。このような「―み」形は、知覚できる「感覚」を表すとされます。
つまり単なる名詞化ではなく、実感を伴った名詞化であるということ。「―さ」ではなく「―み」が勢力を拡大した理由は、このような点に求めることもできるそうです。
はえ〜納得み〜。
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【要約】
要は「~さ」と同じ名詞化を意図したもの
直に表に出すと生々しさや主張の強さを感じる「欲求」「共感」等の感情を「~み」と分析的に表現することで自分から距離を置き婉曲的かつネタ的に表現できる、と
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最近よく聞く「―み」について、丁寧に解説してて面白い。
文法として、そこまで逸脱してはいないらしい。
Q:若者ことばの「やばみ」や「うれしみ」の「み」はどこから来ているものですか。
A:名詞を作る接尾辞「―み」を,本来よりも広い範囲の語に付けて作られた
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“感情を名詞化し、分析的に表現することによって、自分から距離を置いた形で,婉曲的に表現する効果”
まさにこれだわ。しっくりくる解説。
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若者ことばの「ーみ」ってのは初見でしたが、なるほど~わかりやすみありでした!(タイトルだけ見て一瞬、奈良弁の「~みぃ」のことかと思いましたが。)
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たしかに、ただ「それ、超わかるんだけどぉー」というよりは、「わかりみが深い」と言った方が、なんか実感を伴って伝わるような感じがする。
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めっっっっちゃ納得した……
納得みしかない…
「つまり,単なる名詞化ではなく,実感を伴った名詞化であるということ」
つまり、「―さ」による単純な意味の名詞化ではなく、知覚できる特別な意味を伴った名詞化であり、ネタ的に発言出来ることから「ーみ」が流行った…ということですね!わかりみ!
ことば研究館のページにて更に詳しく解説されていますので、気になった方はそちらもぜひご覧ください。
出典元:ことば研究館
(c) National Institute for Japanese Language and Linguistics