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紀元前245年、春秋戦国時代の中国。西方の秦国に、大将軍を目指す二人の少年、信と漂がいた。戦災孤児で下僕の身分であった彼らの元に、秦の王宮に仕える昌文君が現れる。昌文君は漂に王宮での仕官を告げる。この出来事は、信と漂の運命を大きく変える歴史的な転機であった。

信は親友漂が死の直前に託した地図を頼りに、黒卑村を目指した。村に着いた信は、漂と瓜二つの少年・政に出会う。信はこの奇妙な偶然に混乱するが、その時、政の命を狙う刺客たちが襲い掛かる。政は実は秦王のエイ政、即ち後の始皇帝であった。

信は驚異的な気力と剣技で刺客を倒し、政を守る。しかし、彼らは王弟が送り込んだ大軍に囲まれ、逃げ道を失う。絶体絶命の中、信と政は強行突破を試みるが、その時、河了貂という子供が現れる。

漂の遺志を受け継ぎ、信は政に付き従うことを決意する。信は「利用するだけだ」と政に告げるが、政も「お前はただの剣だ」と言い返す。そこに、金のためと言って河了貂が加わる。こうして、一行は昌文君を筆頭とする大王派の臣下たちとの合流地を目指す。

信はムタとの対峙で殺気を感じ、恐怖に怯えて本来の力を発揮できなくなる。しかし、政の激しい叱責を受けて、自分が無意識に退いていたことを悟る。不退こそが自己の真の武器であると確信した信は、血だらけになりつつも果敢に前に進む。

かつて死んだと思われていた昌文君が実は生きており、政との再会を果たす。昌文君の涙に対し、信は漂の死に対する怒りをぶつけるべく剣を振り上げるが、その手は副官の壁によって止められる。そして壁は、漂の最期の真実を語り始める。

王宮奪還のため、加勢を求めて山の王に会いに行く一行。道中、壁から山の民の凶暴性について聞かされ、一同は重苦しい雰囲気に包まれる。しかし、信は「味方にする値打ちがある」と考え、意気揚々と先を目指す。

政は山の民に案内され、1人で山の王の元へと向かう。その後を追う信たちは、昌文君から政を守るようにとの託されていた。彼らは断崖絶壁を登り、途中で想像を絶するほど堅牢な要塞に遭遇する。更に、彼らの周囲には、気づかぬうちに山の民が忍び寄っていた…。

信たちは楊端和の心を動かし、山の民と共に昌文君らのもとへ戻る。一行は王都・咸陽への攻め込むための作戦会議を開始する。しかし、政側の勢力が3千に対し、敵である竭氏は8万の軍を集結させているとの報告が入る。信はこの圧倒的な兵力差に動揺するが…。

咸陽に到着した信たちは、政の策に従って全員が山の民の姿に扮装し、王宮へと進む。城門を潜り抜けた彼らは、王宮へと通じる門の前に到着する。緊張感が高まる中、政は一瞬立ち止まり…。

信の活躍により朱亀の門を突破した一行は、勢いを保ったまま、門の近くにおびき出していた竭氏に襲いかかる。しかし、山の民が敵に刃を迫らせた瞬間、突如無数の矢が飛来し、山の民の体を貫く…。

信たちの行く手に、圧倒的な威圧感を放つ人斬り長・左慈が立ちはだかる。左慈は常に一刀で敵を仕留めるという凄腕の剣士で、彼の剣は山の民でさえも容易く真っ二つにする。しかし、そんな圧倒的な敵の前でも、信は迷うことなく果敢に立ち向かっていく。

壁の援護を受けながら、信は左慈を倒し、本殿へと躍り込む。信の迫力に大臣たちが震え上がる中、成キョウは玉座に悠然と構えていた。成キョウが一同を下等な輩と見下すと、信は直接彼に挑む姿勢を見せる。

成キョウの一言によって野獣のように猛るランカイはバジオウらを次々となぎ倒す。しかし、壁の言葉に触発された信は、剣と一体となり、一撃と気迫でランカイの戦意を打ち砕く。ランカイが倒れると、成キョウは後がない状況に半狂乱となり…。

政と対峙した王騎は、宝刀を光らせながら、真の王の在り方について問いかける。緊張が一同を包む中、政は表情一つ変えずに「中華の唯一王だ」と断言する。この言葉の重みを感じ取った王騎は、その答えに目を爛々と輝かせる。

激しい戦いの末、反乱を鎮圧するも、王宮には新たな事件が迫っていた。秦国の丞相、呂不韋が遠征から戻ってくるという情報が入る。政が大王に即位したにもかかわらず、呂不韋は竭氏との権力争いに関与し、この反乱にも手を貸さなかった人物であった。

中国統一を目指す政は、その第一歩として魏国への侵攻を決定する。出陣する歩兵軍の中には、天下の大将軍を目指す信も含まれていた。彼は大軍勢の壮観さに驚きながらも、戦場の雰囲気に身を任せ、気合い十分に行軍していく。

蛇甘平原に到着した信は、縛虎申隊に配属される。彼とその部隊は、魏軍の大軍勢と激しい戦いを繰り広げる。信が属する部隊は隊の中でも最も弱いとされていたが、信の卓越した剣術と部隊長澤圭をはじめとする隊員たちの団結力により、効果的な集団戦法を展開し始める。

魏軍の装甲戦車が秦軍を圧倒していたが、謎の剣客・羌カイの策略と信の奮戦により、戦車隊は撃破される。戦局の変化を察知した秦軍の総大将・ヒョウ公は、騎馬軍を戦場に突撃させる。これにより、戦場は大規模な乱戦の渦に巻き込まれる。

縛虎申隊の激しい突撃は多大な犠牲を払いながらも、ついに丘上を奪取する。しかし、その勝利も束の間、信たちが陣取る丘に向けて魏軍総大将・呉慶が自軍を率いて迫ってくる。大軍の圧力に晒され、信たちは無念さを胸に丘からの撤退を余儀なくされる。

初めて王騎の姿を目の当たりにした信は、その存在感に圧倒される。身構える信だが、王騎は信には目もくれず、期待外れだと断じる。天下の大将軍を目指す信は、その屈辱的な言葉に怒りを感じ、剣を向けて激しく反発する。

魏軍の総大将・呉慶は戦を理詰めの盤と捉え、地理的に有利な丘に布陣して、戦況に応じて迅速に陣形を変化させる戦術を展開する。対して、秦軍の総大将・ヒョウ公は戦を燃え盛る大炎と見なし、変化に迅速に対応しながら敵軍を撃破していく。異なる戦術を持つ両大将がついに対峙する。

初陣での顕著な活躍が認められ、信は百人将に昇格する。魏戦で共に戦った仲間たちからも、再び同じ隊で戦いたいとの声が上がるほどに彼は成長を遂げていた。その信の頼もしい姿を見た貂は、彼への寂しさを感じる。そんな二人の前に、羌カイが姿を現す。

信は羌カイに自らの未熟さを指摘される。これに触発された信は「強さ」とは何かを自問し、さらなる成長を求めて世話役の渕を連れ出し、大将軍・王騎の下へ教えを請うためにその城へ向かう。初めは相手にされないが…

信が修業に励んでいる間、王都咸陽は新たな危機に直面していた。突如、強国趙が攻め入ってきたのだ。かつて長平の戦いで秦により兵を生き埋めにされた趙国は、深い恨みを抱いており、趙軍の兵士たちは一帯で大規模な虐殺を行っていた。

趙軍の侵攻により馬央が陥落し、秦国の守備前線の要である馬陽も激しい攻撃を受けていた。これに対抗するため、秦国は王騎を総大将として任命し、馬陽への援軍を派遣する。百人将に昇格したばかりの信も、将としての初陣としてこの戦場に向かうことになる。

秦軍は馬陽に到着し、迅速に陣形を整える。これを見て趙軍も迎え撃つ態勢をとる。両軍の陣形が完成すると同時に突撃の号令が下され、戦いが始まる。その激しい戦闘の中、待機していた信の部隊には、王騎から特別な命令が与えられる。

信とその部隊は王騎から「飛信隊」という名を授かり、彼の命令によって100人で敵将・馮忌の本陣への突撃を開始する。敵の隙を突いたこの攻撃は大きな威力を発揮し、敵陣を切り裂くことに成功する。信が自ら先頭に立つことで、部隊員の士気も大いに高まる。

仲間たちの援護を受けながら敵陣を突破した信は、敵将・馮忌を討ち取り、飛信隊は初日の戦いでの勝利を収める。続く2日目、中央の戦場で敵将・李白に苦戦を強いられていた秦軍の主攻軍である蒙武軍がついに動き始める。

飛信隊の活躍と蒙武軍の強力な武力により、秦軍に勢いが生まれる。これを受けて王騎は蒙武に全軍を預け、趙軍本陣への総攻撃を命じる。しかし、信たちが敵本陣の山に突入すると、趙軍は突如撤退を開始する。この予期せぬ動きに、王騎は何か不審な点があると感じる。

ホウ煖が秦軍に奇襲をかけ、「天の災い」と自称しながら兵士たちを次々と倒していく。この攻撃は、飛信隊の隊員たちの命をも奪うほどのものだった。仲間が倒れる様を目の当たりにした信は怒りに震え、羌カイと共にホウ煖への仇討ちに挑むが…。

趙軍総大将・ホウ煖の圧倒的な武力に対して、飛信隊の仲間たちは信と共に反撃を開始する。集団による一斉攻撃は、ホウ煖の注意を引き、その隙を生むことに成功する。そして、信が狙いを定めた剣の一撃が、ホウ煖を切り裂く。

趙軍の追撃を逃れた飛信隊は、傷を負いながらも再び戦場へと戻る。彼らは旗を頼りに自軍との合流を目指すが、それは趙将・渉孟の罠だった。飛信隊は再び危機に陥るが、そこに現れた王騎が渉孟を一蹴する。

趙軍本陣にて敵将・ホウ煖を発見した蒙武は、単身で挑むが、ホウ煖は戦わずにその場を去る。何か策略があると感じながらも、蒙武とその軍はホウ煖の後を追う。しかし、彼らはホウ煖が仕掛けていた罠にはまってしまう。

釣鐘状の地形で両軍が対峙する中、王騎の副官・騰が率いる騎馬隊が先制攻撃を行い、趙軍の陣を崩す。これに続き、信を含む歩兵たちがおとりとなって敵陣を乱し、その隙を突いて王騎自身が出陣する。

9年前、ホウ煖による突然の襲撃で命を落とした秦国の6大将軍の一人・摎。彼女は多くの戦場を駆け抜け、その名を天下に轟かせたが、その素性はほとんど知られていなかった。実は摎は、王騎の妻になるはずの女性であった。

秦軍総大将・王騎と趙軍総大将・ホウ煖の戦いは激しく、両者は一歩も譲らない。しかし、戦場で倒れた者たちの思いを背負った王騎が次第に優勢となり、ホウ煖は防戦一方に追い込まれる。王騎は最後の一撃でホウ煖を斬り伏せようとするが…。

王騎がホウ煖にとどめを刺そうとする瞬間、趙の将軍・魏加の放った矢が背後から王騎を襲う。この突然の攻撃に乗じて、ホウ煖の一刀が王騎の胸を貫く。この衝撃的な光景を目の当たりにした秦軍の兵士たちは、戦意を喪失してしまう…。

かつて田舎村の下僕だった信は武功を上げ、三百人将に昇進する。彼が率いる飛信隊は、秦国の特殊部隊として戦場で名を馳せていた。一方で、王宮内では秦国の若き王・エイ政と丞相・呂不韋との間で権力争いが激化していた。

昨年、王騎が討たれた秦趙戦の仇である趙国宰相・李牧が突如秦国を訪れるという異常事態が発生する。この状況に対応するため、軍事総司令の昌平君は信と羌カイを王宮に呼び寄せる。二人は衛兵に変装し、李牧との会見に紛れ込むことに成功する。

呂不韋と李牧の駆け引きの結果、秦趙両国は同盟を結び、その祝いとして盛大な宴会が開催される。会場は信と羌カイが思わず見とれるほど華やかに飾られていたが、その美しい光景とは裏腹に、秦趙両国の間には緊張感が漂っていた。

政に対して5年で将軍になることを誓った信は、再び戦場に戻り、武功を上げることに専念する。しかし、目立った手柄を上げることができずに焦りを感じる中、前線地帯で予期せぬ大軍に遭遇する。この状況に直面し、飛信隊は敵本陣への単独急襲を決意する。

貴族のエリートで構成される秦軍特殊三百人隊・玉鳳隊の隊長、王賁は、戦の素人集団と見なされる飛信隊を「蟻」と軽蔑する。この屈辱に激昂した信は剣を抜くが、王賁の繊細かつ圧倒的な槍の技に完全に圧倒され、力の差を痛感する。

第三勢力である後宮は、政の母である太后が支配する特別な領域で、絶大な勢力を持つが、これまで権力争いには参加せず静観していた。しかし、突如として後宮から、大王派の肆氏のもとに書簡が届けられる。これが政治的な動きを示唆していた。

長平の戦いで秦国によって趙国が受けた未曾有の大虐殺による恨みから、秦国の王子・エイ政は趙国で侮蔑と虐待の日々を過ごしていた。しかし、時が経ち、秦王の崩御をきっかけに、政を秦国へ逃がす計画が立てられる。この計画は、趙国の闇商人・紫夏のもとに持ち込まれ、新たな展開へと進んでいく。

命の危険を承知で、紫夏は政を秦国へ送り届けることを決意する。紫夏の巧みな手腕により、一行は最初の関門を無事通過する。しかし、その間も政は虚ろな目で何かに怯えるかのように夢にうなされ続けており…。

政は味も匂いも痛みも感じられないほど心が壊れてしまっていると感じていた。政は過去の亡霊に縛られ、前に進むことができなかった。しかし、紫夏が差し伸べた手が、政をその闇から強く引き上げる。紫夏の支えにより、政は徐々に正気を取り戻し始める。

始皇帝5年、秦国は大規模な軍を動員して魏国への侵攻を開始する。その中で、飛信隊は総大将・蒙ゴウ率いる本軍に組み込まれ、大功を狙う信は行進に際し気合いを入れていた。一方、王宮では後宮の実力者たちが政のもとに来訪し、彼らの助力を得られると期待されていたが…。

王宮内の権力争いにおいて、実の息子・政への協力者と見られていた太后が、実は政の宿敵である呂不韋と密かに結託していたことが発覚する。この二人の密会を偶然目撃した宮女の向は身を隠そうとするが、彼女の気配を察知した宦官によって深い傷を負わされてしまう。

宮女・向の命懸けの証言によって、政陣営は呂不韋と太后の不義の事実を知り、これを広める。この情報はすぐに大きな効果をもたらし、呂不韋陣営を大きく動揺させる。同時に、秦国軍は高狼城の攻略に苦戦を強いられ、厳しい戦況が続いていた。

高狼城の城壁を突破した王賁と玉鳳隊は、その勢いを利用して城門を奪取する。一方、城内に攻め込んだのは蒙恬率いる楽華隊だった。秦国軍はついに城を陥落させるが、その勝利に乗じて秦国軍の兵士たちが魏国の民に対して暴力行為を働く事態が発生する。

かつて趙国三大天の一人と称された廉頗大将軍は、趙国王の命に背き、国を追われ魏国に亡命していた。以来、彼は一度も軍を率いることはなかったが、魏国王の命を受け、秦国軍を討つために再び戦場に立つこととなる。

秦国軍は魏国侵攻後、三つ目の城・近利関も制圧し、飛信隊は敵将を討ち取るなどの武功を上げる。しかし、廉頗四天王の一人、輪虎の暗躍により、秦国軍の千人将たちが次々と命を落とす。秦国軍は警備を強化するが、狡猾な輪虎を捕捉することはできず緊張が高まる…。

廉頗が軍を率いることはないと考えられていた魏国で、廉頗が再び戦場に出陣したという情報が秦国軍に伝わると、驚きと共に焦りが広がる。総大将・蒙ごうは表面上は動じない様子を見せるが、実際には廉頗との過去の戦いで一度も勝利を収めたことがなかったため…。

輪虎によって数多くの千人将を失った秦国軍は、三百人将の中から王賁と蒙恬を千人将に昇格させる。この決定に信は悔しさを感じるが、総大将・蒙ごうの推薦により、彼も臨時ながら千人将への昇格を遂げる。

流尹平野での決戦に向け、両軍が戦場に到着する。秦国軍の総大将・蒙ごうは副将の桓騎と王翦を率いて、長年の宿敵である廉頗に挑む準備を整える。対する廉頗も四天王を従え、激突を前にして気を引き締める。両軍の陣形が整い、緊張がピークに達すると、ついに第一陣の激しい戦闘が始まる。

戦闘の序盤では秦国軍が勢いで優勢に立っていたが、急ごしらえの第一陣の千人隊は統制が取れず、徐々に形勢が逆転し始める。玉鳳隊も同じ状況に陥り、その隙を見逃さない輪虎が王賁を狙って攻撃を仕掛ける。王賁は輪虎に対して果敢に抵抗を見せるが…。

飛信隊の活躍で一時は勢いを取り戻したように見えた秦国軍だったが、魏国の廉頗四天王の一人、玄峰の巧妙な策略によって再び秦国軍は危機に瀕する。しかし、この状況の中で飛信隊が敵の策を見抜き、逆に敵陣をかく乱し、敵本陣に迫る。

敵の策略に翻弄される秦国軍の中で、飛信隊と玉鳳隊は果敢に反撃に出る。しかし、秦国軍を壊滅させた玄峰は戦況を見極め早々に退却し、秦国軍は大敗を喫してしまう。その一方で、秦国軍の副将・桓騎は廉頗四天王の一人である介子坊と激しい交戦を繰り広げていた。

秦国軍の副将・桓騎が敵将の玄峰を討ち取ったという報告が入ると、信はその勝利に触発されて、敵将・輪虎を討ち取る決意を固める。しかし、蒙恬は信に対し、現在の戦い方では輪虎には太刀打ちできないと忠告する。

魏国軍の激しい攻撃に晒されながらも、秦国中央軍は守備を固めた戦いを展開していた。その中で、蒙恬率いる楽華隊が独断で行動を起こし、遊軍として単独で前線に出る。この予期せぬ動きに、敵も味方も一様に驚くが、その中で信と王賁は冷静に戦況を見つめ、次なる行動の合図を待っていた。

楽華隊は輪虎兵を狙い通り次々と討ち取り、戦況を有利に進める。蒙恬の合図を受けた飛信隊と玉鳳隊は輪虎の本陣に攻め入るが、輪虎は動じることなく逆に猛攻をかける。この急展開に、王賁は反撃できず、信も激しい戦いの中で深い傷を負ってしまう。

壁は王翦将軍の命により五千の兵を率いる将として、廉頗四天王の一人・姜燕の迎撃に向かう。戦術的に優れた地形に姜燕軍を追い詰めることに成功した壁は、姜燕を討ち取る絶好の機会を得る。しかし、そこに新たな敵軍が現れ…。

王翦軍は姜燕軍を追い詰めるが、その動きを見越していた廉頗が自らの軍を率いて現れる。廉頗の登場により士気を取り戻した魏国軍は、驚異的な勢いで秦国軍に襲い掛かる。この状況をみた王翦は、あっさり自軍を戦場から引き上げ、砦に撤退する決断を下す。

流尹平野での戦いが始まって6日目、前日の輪虎との激闘で受けた傷を回復した信は、決戦の時を待ちわびていた。しかし、飛信隊には後方支援として待機することが命じられ、信はその役割に不満を抱いていた。

輪虎は「輪動」と呼ばれる特殊な戦術を用いて、秦国軍の蒙ゴウ本陣の防御を突破する。輪虎の圧倒的な破壊力を食い止めたのは、分離して突撃してきた飛信隊だった。この状況で、信は輪虎に向かって一騎打ちを挑む。

信と輪虎の一騎打ちは、互いに一歩も譲らない激しい打ち合いが続く。その戦いの激しさに周囲の者たちは見守るしかなかった。前日の戦いで左腕を負傷していた輪虎だったが、その影響を全く感じさせない戦いで信の足に深々と剣を突き立てる。

信は一瞬の隙を突いて輪虎を斬り倒す。その一撃に手応えを感じるも、驚くべきことに輪虎は再び立ち上がる。ボロボロの状態ながらも、輪虎は廉頗のために負けるわけにはいかないと決意する。その頃、羌カイの前に突如として騎馬隊が襲い掛かり…。

激しい一騎打ちの末、信は輪虎を打ち破る。激闘を終えた彼は休む間もなく、敵軍が迫る秦国本陣へと急いで向かう。本陣では、数々の罠をかいくぐりながら、ついに敵将・廉頗が頂上に攻め込んで来ていた。

蒙ゴウは廉頗に一騎打ちを挑むが、重傷を負わされてしまう。その場に駆けつけた信も、二人の戦いに手を出せずにいた。廉頗のある発言に対して、信は怒声を上げる。その時、敵将・介子坊が現れ、戦場はさらに混戦状態に陥る。

桓騎が魏国軍総大将・白亀西を討ち取ったことを知った介子坊は、戦局を五分に戻すため、秦国軍総大将・蒙ゴウを討とうとする。しかし、戦が詰んでいると感じた廉頗は介子坊を制止し、蒙ゴウに対して和睦を提案する。

山陽の戦いでの勝利を受け、王宮で華やかな論功行賞が行われ、戦場での武功を上げた信は正式に千人将に昇格する。新生飛信隊は新たな戦場へと向かうが、羌カイが不在のため連戦連敗を繰り返してしまう…。

連戦連敗により千人将降格の危機に瀕していた信を救うため、飛信隊に河了貂が軍師として加わる。隊内のメンバーから新参者の指示に対する反発があったが、貂は彼らと向き合い、戦場に留まる覚悟を語る。

飛信隊の指揮を執ることになった河了貂は、迫る魏国軍を巧みにかわし、飛信隊の立て直しを図る。この突然の変化に敵軍師が飛信隊軍師の実力を探るための策を仕掛けるが、貂はその動きを察知し、迎撃の準備を始める。

河了貂の指揮下で飛信隊は連勝を重ね、秦国軍は新たな土地を平定する。この勝利を受けて、秦国は「山陽東郡宣言」を行い、領土拡大の意志を宣戦布告として示す。この秦国の動きに対し、李牧は燕軍との戦いに動き出す。

反乱を起こした後に幽閉されていた成キョウと対面した政は、彼らを解放する代わりに呂不韋打倒への協力を求める。同時に、飛信隊は秦国の東の前線基地に向かう途中、韓軍に攻め込まれている徐の国を救援に向かう。

呂不韋陣営の勢いに対抗するため、政陣営と成キョウが手を組み、王宮内での発言権を持つ左丞相として昌文君を任命する。しかし、これは中国統一への道の始まりに過ぎなかった。一方で、李牧と対峙する信は、彼との直接対決に臨むこととなる。

紀元前の中国・秦国で、下僕出身ながらも大将軍を目指す若き千人将・信は、武功を重ねてその地位を固めていた。軍師・河了貂を飛信隊に迎え入れ、戦いに明け暮れる中、信はかつての仲間である録嗚未、干央と感動的な再会を果たす。

列強6国が形成する合従軍が秦国に進行を開始し、国は危機的な状況に陥る。この窮地を打開するため、軍司令の昌平君は東の斉国と交渉を行い、合従軍からの離反を促そうと考える。その一方で、飛信隊は雷原で侵攻している魏軍に追いつく。

軍総司令の昌平君による召集で、秦国の著名な将軍たちが一堂に会する。そうそうたる面々の前で、昌平君は国家存亡の危機を救うための絶望的ながらも希望を持つ作戦を発表する。それは全軍を函谷関に集結させ、敵軍を迎え撃つという大胆な計画だった。

函谷関での攻防戦が激化する中、ヒョウ公将軍のもとに配属された飛信隊は、敵対する趙軍を次々と撃破していく。しかし、戦闘の最中、勢いに乗じていたヒョウ公軍の進行が突如として止まり、戦場は緊張に包まれる。

魏軍総大将・呉鳳明が開発した新型の井闌車によって、函谷関は危機に陥る。しかし、将軍・桓騎はこの状況を冷静に見据え、不敵に笑いを浮かべる。一方で、蒙武と騰が率いる連合軍では、通常は血気盛んな蒙武が静かに戦況を見守っていた。

秦軍の蒙恬と王賁、楚軍の項翼と白麗がそれぞれの隊を率い、戦場で激しく火花を散らす。同時に、元王騎軍軍長である録嗚未は、楚国第一軍を率いる将軍・臨武君に対して苦戦を強いられ、戦いは激しいものとなっていた。

恐るべき執念を持って戦い続ける兵士たちをかいくぐりながら、信は趙軍の将・万極のもとにたどり着く。万極の禍々しい姿を目の当たりにした信は、彼が秦六将の一人、白起が長平の地で行った大虐殺の生き残りであることを知る。

大きな犠牲を払いつつも合従軍から2人の将軍を討ち取った秦軍だが、合従軍にはまだ多数の将が残っている。楚軍は、ここで第二軍の将軍・カ燐に第一軍の指揮も委ねる。カ燐は第二軍を動かさず、第一軍のみで戦うという戦略を採る

15日間に渡る一進一退の激しい戦いの中、力を温存していた秦軍主力の蒙武軍もついに進軍を開始する。大将軍蒙武の檄によって敵陣に突撃する兵士たちの激しい戦いが続くが、後方支援が来ないことに兵士たちは困惑し、戦場には不安が広がる。

カ燐の奇策によって秦軍は大混乱に陥る。録嗚未と干央が奮闘し、何とか危機を回避するも、カ燐の真の狙いは別にあり、再び秦軍は窮地に追い込まれる。この状況に、将軍・騰は急きょ左右の軍の指揮官を入れ替える決断を下す。

魏軍を翻弄する策を展開した桓騎と張唐は、少数の兵を率いて函谷関の外に降り立つ。魏軍に成りすまし、総大将・成恢がいる韓軍本陣を目指す両隊の行動は大胆な奇策であり、張唐はこの策を通じて桓騎の才覚を深く認識する。

函谷関防衛の鍵を握る山岳地帯では、王翦の軍と燕軍総大将・オルド率いる軍の戦いが繰り広げられていた。山間部での戦闘を得意とするオルド軍に苦戦を強いられる王翦は、予想外の行動に出る。

蒙武軍は高度な戦術で楚軍総大将・汗明の布陣の弱点を見事に突いたが、汗明の側近3人が率いる軍によって勢いを止められ、窮地に陥る。軍全体に焦りが広がる中、蒙武は残された最後の5千の兵を率いて自ら出陣し、状況の打開を図る。

函谷関攻防戦の重要な局面で、秦軍の将軍・蒙武と楚軍総大将・汗明の一騎打ちが始まる。これまでの戦歴と大将軍としての実力ではるかに上回る汗明を相手に蒙武は、己の技術と勇気を持って互角の戦いを展開する。

函谷関攻防戦の15日目は双方にとって決戦の日と見なされていた。この日、秦軍は蒙武の活躍により戦況を好転させる。苦しい状況にあった函谷関の守備軍もこの勢いに乗じ、敵軍を押し戻し始める。しかし、この流れを一変させるような予期せぬ事態が国門に迫っていた。

王翦軍の活躍に続き、蒙武軍の成功もあり、戦局は秦軍有利へと大きく傾く。秦国は国家存続の危機から脱するかと思われたが、将軍・ヒョウ公はこの勝利を物足りないと感じており、信もまた同じような感情を抱いていた。

飛信隊を率いて王都の危機を救うため、大将軍・ヒョウ公は迅速に行動を開始する。ヒョウ公は敵の仕掛けた戦術を打ち破り、“大炎”李牧のもとを目指すが、そこで彼を待ち受けていたのは、“趙三大天”の一人、ホウ煖だった。

李牧率いる軍が王都・咸陽に迫り、秦国は恐怖に陥る。李牧軍の進軍の速さと勢いは、天才軍師・昌平君の予想をはるかに超え、函谷関の兵を呼び戻すこともできず、秦国は手をこまねいていた。この危機的な状況の中で、秦王・エイ政は国を救うための行動を起こす。

秦国の最大の危機に、王都から兵を率いて秦国最後の砦・サイに現れた秦王・エイ政。ぼろぼろの状態でそこにたどり着いた信は、思いがけない王との再会に安堵する。エイ政はすべての民を前に集め、自らの決意を力強く語り始める。

李牧の軍に包囲された中、軍総司令・昌平君の命を受けた介億が援軍を引き連れて到着する。秦軍の防衛線も整い、戦いに突入するサイ。信率いる飛信隊は、不慣れな民兵と共に、力を合わせて猛烈な戦いを展開する。

飛信隊が守るサイの南壁に、李牧の側近・カイネと傅抵の隊が襲い掛かる。信は傅抵と一騎打ちになるが、相手の素早い動きに翻弄されて苦戦を強いられる。そんな時、副長・羌カイからかつて投げかけられた言葉が信の脳裏によみがえる。

サイに秦王・エイ政がいるという情報が趙軍に知られると、李牧はエイ政を捕らえるため全軍での総攻撃を開始する。これによりサイは決死の防衛戦に突入し、信をはじめとする各城壁の将たちは必死に抵抗するが、敵の圧倒的な地力にサイの士気は限界…。

李牧軍の猛攻によりサイが陥落寸前となったその時、山界の死王・楊端和率いる山の民が戦場に現れる。女王・楊端和と秦王・エイ政の同盟に基づき戦闘に参加した山の民は、その圧倒的な武力で李牧軍を撃退し、戦況を一変させる。

重傷を負いながらも、信はホウ煖との一騎打ちに挑む。一方のホウ煖は、どれだけ攻撃しても決して屈しない信の強さに戸惑いといらだちを感じていた。激しい戦闘の中で、ついに信の剣がホウ煖を捉え、決定的な一撃を与える。

秦国が国家の運命をかけた大規模な戦いに全軍を投入しているその時、飛信隊副長・羌カイは、彼女が姉と慕う羌象の敵討ちのため、隊を一時離れ、趙国にいた。羌カイは羌象の敵である幽連が隠れる老山の山中へと単身で進入するが…。

現在の蚩尤である幽連と、蚩尤としての才能が際立つ羌カイの対決は、最強と称される者同士の戦いとして極めて激烈なものとなる。巫舞を極めるために現世のしがらみや感情をすべて断ち切った幽連は、圧倒的な強さを見せる。その力の前に、羌カイは次第に追い詰められていく…。

紀元前3世紀の秦国で、飛信隊の隊長・信は、国門・函谷関を守る合従軍との攻防戦での活躍が認められ、三千人将に昇格する。この昇格により、信の夢である天下の大将軍への道が一歩近づいた。さらに、一時期隊を離れていた副長・羌瘣も飛信隊に復帰し、隊は再び活気づく。

合従軍との戦後の復興が進む中、秦国内では秦王・嬴政と相国・呂不韋との権力争いが激化していた。嬴政は弟・成蟜の力添えを得て勢力を拡大する一方、呂不韋は自身の財力を駆使して勢力を増やしていた。この二つの陣営の争いはほぼ互角の状態になっていたが…。

成蟜が率いる軍が趙軍の制圧に向かったはずが、突如として屯留で反乱を起こしたという報告が咸陽に届き、都は騒然となる。呂不韋はこの反乱を早急に討伐すべきだと主張するが、嬴政はこの一連の動きに裏があると謀略を疑い…。

飛信隊と壁軍が屯留で合流し、激しい攻城戦が始まる。飛信隊の任務は速攻にあり、軍師・河了貂は信と羌瘣を成蟜のもとへと向かわせる。一方で、成蟜は反乱の実態とその背後にあるカラクリを、城主代行・蒲鶮から聞き出すことに成功する。

信と羌瘣、そして飛信隊の他の仲間たちは、成蟜と瑠衣が捕らわれている可能性のある場所を探索するが、屯留城内は乱戦状態で、成蟜や反乱の首謀者である蒲鶮の姿を探し出すことができない。その中で、成蟜自身は反乱兵との戦闘で深刻な傷を負ってしまう。

秦国と魏国の国境近くに位置する著雍で、秦国将軍・騰が大将軍・呉鳳明率いる魏軍と激しい交戦を続けていた。その戦いに、信の飛信隊と王賁の玉鳳隊が増援部隊として召集される。しかし、魏軍に謎の第三の軍が合流し、秦軍は数的不利に立たされる。

王賁の提案に基づき、秦国は騰将軍の配下にある録嗚未軍、玉鳳隊、そして飛信隊の3軍を魏軍の布陣の隙を突く主攻勢力として投入する。飛信隊はこの計画の一環として、まず敵軍の第一陣を徹底的に叩く役割を担うことになる。

激しい戦闘の最中、軍師・河了貂が敵軍の凱孟軍本陣へと連れ去られるという事態が発生する。飛信隊は河了貂の救出を優先するか、作戦を続行するかで意見が分かれるが、その中で羌瘣は河了貂を救出するために試すべき一つの手段を提案する。

魏軍本陣へと進撃する玉鳳隊の前に、魏国のもう一人の火龍である紫伯率いる軍が立ち塞がる。知略と武勇を兼ね備えた紫伯は、幾度となく死地を潜り抜けてきた過去を持ち、極めた槍術で玉鳳隊員たちを次々と討ち取っていく。

著蕹の戦い3日目に突入し、飛信隊、玉鳳隊に続いて録嗚未軍も本格的に戦闘に参加し、決戦の時が刻一刻と近づく。凱孟軍との激しい戦闘を展開している飛信隊は、ついに凱孟軍本隊と激突する。しかし、凱孟軍軍師・荀早の巧みな布陣を打ち破ることができず、苦戦を強いられる。

一度は敗れたものの、再び“槍の紫伯”に挑戦する王賁。しかし、紫伯の死地で鍛え抜かれた槍さばきを打ち破ることは困難であった。玉鳳隊の副長・番陽によって王賁を戦闘から退かせようとする関常の提案がある中、王賁の槍が次第に紫伯に迫り始める。

飛信隊、玉鳳隊、録嗚未軍が一斉に魏軍本陣に猛攻を仕掛け、総大将・呉鳳明の首を狙う最終決戦に突入する。秦軍の突然の猛攻に魏軍は混乱に陥るが、魏国の英傑・呉鳳明はその混乱の中でも冷静さを保ち、対応策を練る。

著雍の戦いを終えた後、秦国は騰と魏軍の呉鳳明を総大将とする軍事戦略の一環として、軍事重要拠点の強化を目指すことになる。この変化に伴い、王都・咸陽の動きも活発化し、嬴政の実母である太后を頂点とする後宮派が、戦略的に重要な「山陽」一帯の統治を申し出る。

三大宮家の後見の下、太后と嫪毐をはじめとする後宮勢力は、山陽一帯の統治に着手する。彼らは秦国最北の地・太原で、「一帯を“毐国”とする」と宣言し、宮廷内に激震を走らせる。当初、この建国は頓挫すると考えられていたが…。

毐国建国による混乱に乗じて動き出す他国の動きを警戒し、著雍戦で功績を挙げた者を昇格させることで新たな軍の強化を図る秦国。一方、毐国では、急速に強大化する国の状況を危惧した太后が、嫪毐に対して警告を発する。

太后とその愛人・嫪毐との間に隠し子がいることが咸陽で明らかになり、毐国内部は混乱に陥る。この事態を受けて大臣・虎歴は、太后と嫪毐に対し、重大な決断を迫る。その決断とは挙兵するか、太后、嫪毐、そして彼らの子供たちの首を差し出して降伏するかのどちらかだった。

秦国の旧都・雍では、多くの国内外の要人が集まり、第31代秦王・嬴政の加冠の儀式が執り行われる。式典は厳かな雰囲気の中、順調に進行していたが、函谷関をすり抜けた毐国軍が王都・咸陽に迫っているという緊急の報が届き、緊張が高まる。

王都・咸陽に迫る危機を察知した飛信隊は、渭水へと急行する。そこに到着した飛信隊の前には、かつて合従軍との戦いで大王・嬴政と共に戦った民兵を含む、蕞の兵たちが援軍として現れる。

反乱鎮圧軍に合流した飛信隊と蕞の兵たちは、激しい攻城戦が繰り広げられている咸陽に到着する。しかし、咸陽は内部からの裏切り者たちにより、敵軍がすでに城内に侵入しており、信たち鎮圧軍も敵の大軍に阻まれる厳しい状況に立たされる。

加冠の儀を終えた嬴政は、咸陽の戦いの結果が将来に大きな影響を及ぼすことを理解し、呂不韋と対峙する。この重要な対話の中で、呂不韋は嬴政の中華統一という大きな夢を一蹴し、自身の考える「天下の起源」と「人」についてを語る。

中華統一を通じて戦国時代を終結させることを目指す嬴政に対して、呂不韋は戦争の消滅は不可能であり、戦う動機は人それぞれに存在すると主張する。これに対し、嬴政は人間の心の本質と、それを彼に教えた恩人についての考えを述べ始め、その思いを明かす。

王女・麗とその母・向を護衛している陽の前に、後宮にまで侵入した敵の一隊が現れる。王女たちを守るため、陽は命をかけて敵に立ち塞がる決意を固める。その緊迫した状況の中、飛信隊の隊長・信が駆けつける。

嬴政の側近・昌文君と共に、軍総司令の昌平君が軍を率いて咸陽に到着する。戦況を把握した昌平君は、自らが先頭に立って敵将・戎籊公を討ち取るために進軍を開始し、昌平君直下の部隊は、軍師・河了貂らと連携する。

咸陽での戦い激しいが終結し、秦王・嬴政と相国・呂不韋の間の権力争いも決着を迎える。この結果、秦国は新たな時代へと歩みを進めることとなる。反乱の首謀者として捕らえられた嫪毐は、自らの行動を自供し、法によって処刑されることになる。

反乱に関連した者たちが次々と処分されていく中、国の中枢で活躍していた呂不韋に関しては、その影響力の大きさからなかなか裁くことができない状況にあった。この複雑な背景の中、信は秦王・嬴政と面会し、中華統一に向けた計画について直接聞く機会を得る。

第31代秦王・嬴政の下で秦国が大きな変革を迎えようとしているその時、楚国も歴史的な局面に直面していた。考烈王と宰相・春申君が倒れ国政に混乱が生じる中、思いも寄らない人物が新たに楚国の宰相の座に就くことになる。