「ジャックジャンヌ」魅力は濃厚な石田スイワールド&鳥肌モノのキャラクターのギャップ【プレイレポート】
Tuesday 19:00
ブロッコリーの新作、少年歌劇シミュレーションゲーム「ジャックジャンヌ」が、2021年3月18日(木)に発売されました。
本作は、「東京喰種トーキョーグール」の作者・石田スイ先生が原作・キャラクターデザイン・シナリオを担当していることでも話題のゲームです。
そんな本作のプレイレポートを、にじめん編集部からもお届け! 濃厚なストーリー・石田スイ先生の世界観・思わず鳥肌が立つほどのキャラクターたちの成長する姿など、それぞれの魅力をたっぷりご紹介します。
1. 物語の舞台・あらすじ
物語の舞台は、男性だけで構成された劇団・玉阪座が有するユニヴェ-ル歌劇学校です。男性のみ入学することができ、ここで上演される舞台では女性役も男性が演じます。
主人公・立花希佐(たちばな きさ、名前のみ変更可能、CV:寺崎裕香さん)は、突然行方不明となった天才役者・立花継希(たちばな つき)の妹。「兄のように自分もユニヴェ-ルの舞台に立ちたい」という願いを胸に秘めています。しかし、ユニヴェールが男子校であることや主人公の家の事情から、夢を諦めていました。
そんなある日、ユニヴェ-ルの校長・中座秋吏(ちゅうざ しゅうり、CV:子安武人さん)の手引きで入学試験へ参加できることに!
見事合格し、「1年の最後にある最終公演で主演になる」こと、「女性であることを隠し通す」ことを条件に、ユニヴェ-ルの生徒になることを特別に許可されます。
ユニヴェ-ルでは「女性役も男性が演じる」ため、本作には女性よりも女性らしい男性がたくさん登場します。それが普通の世界なので、主人公も性別を隠すことを意識しすぎず、あくまでも自然体です。一人称も「私」のままで、あえて声を低くすることもしません。
「男子校に男装して入学する」というストーリーは女性向け作品によくある展開ですが、本作では無理なくその設定が活きて、プレイする側も自然とストーリーに没入することができます。
2. ユニヴェール歌劇学校では何をするの?
ユニヴェールでは4つのクラスに分かれて、1年生〜3年生まで一緒に演劇を学びます。1年間に新人公演・夏公演・秋公演・冬公演・最終公演の5つの公演が行われ、それぞれのクラスが優勝を目指し、切磋琢磨していきます。
男性役を演じる役者をジャック、女性役を演じる役者をジャンヌといい、一度担当が決まれば、多くの生徒はその後の公演も同じ立場を演じることが多いようです。
4つのクラスにも、それぞれ特徴があります。
“透明”がテーマで演劇未経験者も多い「クォーツ」、ダンスに力を入れているジャック中心の「オニキス」、歌唱に力を入れているジャンヌ中心の「ロードナイト」、才能あふれる個性的な生徒が集まる「アンバー」。その中で主人公は「クォーツ」に所属することになります。
3. 初めての舞台! ドキドキの新人公演
個性豊かな仲間たち
入学したばかりの1年生を中心に行われる新人公演で、主人公はアルジャンヌ(主役のジャンヌ)に大抜擢!
同じくジャックエース(主役のジャック)に抜擢された、元気で明るい織巻寿々(おりまき すず、CV:内田雄馬さん)と、主人公の幼なじみで優しい理解者の世長創司郎(よなが そうしろう、CV:佐藤 元さん)と一緒に、日々練習に励んでいきます。
そんな1年生を指導しつつサポートするのは、3年生で「クォーツ」のアルジャンヌである高科更文(たかしな さらふみ、CV:近藤孝行さん)と、ジャックエースである睦実 介(むつみ かい、CV:笠間 淳さん)、エキセントリックな組長の根地黒門(ねじ こくと、CV:岸尾だいすけさん)、2年生で個人主義の歌姫・白田美ツ騎(しろた みつき、CV:梶原岳人さん)という先輩たちです。
個性豊かなメンバーに囲まれ、主人公たちは初めての舞台に戸惑い、葛藤しながらも、様々な壁を乗り越えていきます。
プレッシャーや嫉妬…立ちはだかる壁
すべての物事が順調に進むわけではありません。主役や名前のある役をもらった主人公たちは、同じクラスの一部の生徒から嫉妬の目を向けられます。
中でも目立つのは、「クォーツ」1年生でトップの成績を誇る鳳 京士(CV:室 元気さん)の存在。彼も名前のある役に抜擢されましたが、主人公と織巻が主役に選ばれたことで、主人公たちを目の敵にしています。
この鳳がただの嫌なやつで終わらないというのも見どころのひとつで、物語の中でとてもいい役割をしている、憎めない愛すべきキャラクターです。
ついに本番! 稽古とのギャップに大興奮
ついに本番当日。織巻が寝坊して遅刻しそうになったり、舞台上で鳳の台詞が飛んでしまったりと、ハプニングが発生してプレイヤーをハラハラさせます。
しかしそんなハプニングも、お互いが協力し合うことで解決していきます。劇場に現れない織巻を主人公が最後まで諦めずに探し出す姿や、動揺する鳳のフォローに回るシーンは、読んでいて胸を打たれました。
稽古期間は気まずい空気が流れたこともありましたが、一致団結していく様子はまさに青春でした。
また、本作では公演の様子もしっかり楽しむことができます。どんな舞台なのかは本番までの期間で徐々に明かされていくのですが、公演パートではその演目の全貌が明らかになります。
ここで感動するのは、稽古のときとは見違えるほどの成長を遂げ、生き生きと各配役を演じるキャラクターたちの姿です!
声優さんの演技もキャラクターの立ち絵も舞台用にガラリと変わるので、凄まじいギャップが楽しめます。特に織巻の成長ぶりには驚いて、筆者はいい意味で「誰!?」となり鳥肌が立ちました。ここはぜひキャラクターボイスをスキップせずにお楽しみください。
4. 今度は男役! 賞をとらなきゃ転科!? 波乱の夏公演
1年生がメインだった新人公演とは違い、夏公演では先輩たちがアルジャンヌ・ジャックエースを演じる舞台になります。前回とは違い、主人公は今回の公演でジャックを演じることに。本来の性別が異なることもあり、主人公は役作りに頭を悩ませます。
さらに、新人公演で大活躍した主人公は、他クラスにも注目される存在になっていました。「オニキス」や「ロードナイト」から転科の誘いがあり、なりゆきで「夏公演で主人公が個人賞をとらなければ、オニキスかロードナイトに転科する」という展開になってしまいます。
夏公演では、主人公が「主役を立たせるということ」を学び、体当たりで役に挑んでいく姿が印象的でした。これで主人公は、ジャックとジャンヌを両方演じられる役者へと成長していきます。
また、他クラスの個性的な生徒が続々登場するのも見どころのひとつです。筆者は「ロードナイト」の見た目がかわいらしいキャラクターが出てくるたびに、これを男性声優さんが演じていることを思い出し、「一体どうなっているんだ…」と少々混乱しました。
この後のストーリーも、怒涛の展開が待ち受けています。
「謎に包まれたアンバーってどんなクラスなの?」「主人公は最後一体どうなるの?」など、気になる点はまだまだたくさんあります。ぜひプレイして、ご自分の目で確かめてみてくださいね。
5. 恋愛はできるの? 重要なキャラクターの親密度
本作では、クラスメイトとの親密度を深めることができます。
レッスンで伸ばしたパラメータとストーリー中に獲得した親密度によって、個別のシナリオが発生します。親密度を深めればたくさんのスチルが見られますので、ここはぜひコンプリートしたいところです。
ゲームを進めていくうちに、「このキャラクターと恋愛を楽しんでみたい」という気持ちが出てくる方もいるかもしれません。
本作は「乙女ゲーム」と銘打っている作品ではなく、誰でも楽しめる青春群像劇です。とはいえ、公式サイトによれば「物語の結果によって恋に落ちることもある」ということなので、ぜひ好きなキャラクターとの親密度を深めてみてください。筆者も暇さえあれば推しキャラクターに会いに行って、親密度を上げまくりました。
キャラクターと仲を深めていく中で、いつ主人公が女性だとバレてしまうのか、ドキドキしながらストーリーを読み進めました。主人公が本当は女性だとわかったら、クラスメイトはどんな反応をするのでしょうか…?
6. 本番の公演と連動するリズムアクション
本作では、2種類のリズムアクションが登場します。
「歌唱リズムアクション」ではミュージックビデオを、「ダンスリズムアクション」では3Dモデルのキャラクターたちが踊る映像をバックにプレイすることができます。
稽古期間中の段階でプレイできるのは、歌声と映像がないシンプルなリズムアクションです。しかし、公演本番ではそれらが合わさった状態でプレイできるんです。実際に本番の舞台に立っているような気持ちになり、とても感動しました!曲にもぜひ注目してください。
また、難易度はNORMAL・HARD・EXPARTの3つの中から選択できます。難易度で公演の成功は左右されませんので、自分に合ったモードでお楽しみください。複雑な操作は一切ないので、リズムゲームが本気で苦手な筆者も、楽しくプレイすることができました。
7. 魅力は石田スイワールドとキャラクターの成長
原作・キャラクターデザイン・シナリオをすべて石田スイ先生が手掛けているということで、濃厚な“石田スイワールド”を楽しむことができました。
石田スイ先生のファンはもちろん、公演での演技や歌なども贅沢に味わえますので、声優さんのファンや舞台がお好きな方にもぜひおすすめしたい作品です。
また、新人公演の項でも触れましたが、プレイする際にはキャラクターボイスを飛ばさずに楽しむことを強くおすすめします!
キャラクターは公演ごとに違う役を演じるので、そのたびに違う魅力を発揮します。舞台本番での緊張感や臨場感は鳥肌ものですので、どうぞお楽しみください。
商品概要
ジャックジャンヌ
少年歌劇シミュレーションゲーム
【対応機種】
Nintendo Switch/Nintendo Switch Lite
【CERO】
B(12歳以上対象)
【価格】
通常盤・ダウンロード版:8,580円(税込)
限定ユニヴェールコレクション:13,530円(税込)
【スタッフ】
原作/キャラクターデザイン:石田スイ
シナリオ:十和田シン/石田スイ
コンセプトアート:浪人
音楽:小瀬村晶
振付:Seishiro
企画/発売元:株式会社ブロッコリー
【キャスト】
高科更文:近藤孝行
睦実 介:笠間 淳
根地黒門:岸尾だいすけ
白田美ツ騎:梶原岳人
織巻寿々:内田雄馬
世長創司郎:佐藤 元
立花希佐:寺崎裕香
ほか
※敬称略
(C)Sui Ishida/BROCCOLI