ピクシブ社のトランスジェンダーの女性が“SOGIハラ”を訴える「悪質すぎて言葉が出ない」
Monday 16:13
イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブ株式会社に勤めるトランスジェンダーの社員が、男性上司からセクハラを受けたとして、男性上司および同社に対して慰謝料約555万円を求め提訴することが「弁護士ドットコムニュース」にて報道されました。
Point
- ピクシブ社に勤めるトランスジェンダーの社員が東京地方裁判所に提訴
今回のハラスメントは「SOGIハラ」
SNSでは「酷すぎる」との声続出
ピクシブ社に勤めるトランスジェンダーの社員が東京地方裁判所に提訴
弁護士ドットコムニュースによると、今回提訴したのは「男性として出生したが、現在は女性として社会生活を送っている」というトランスジェンダーの社員です。
弁護士ドットコムニュースの取材に対し、ピクシブ株式会社は「訴状を受け取っていないため、コメントは控えさせていただきます。正式な訴状内容を確認の上、適切な対応を行ってまいります」と回答しています。
被害内容
(弁護士ドットコムニュースより引用)
訴状によると、原告は2018年4月にデザイナーとして入社した当日、歓迎会で同社執行役員の男性上司から腰に手を回された上で、原告の性自認(性同一性)や、これまでの男性・女性との性的経験などについて聞かれ、わいせつな言葉もかけられたという。
別の機会には「キャバ嬢にしか見えない」「ハプニングバー通いしてそうな顔だ」などと性的な発言も投げかけられた。
記事によるとトランスジェンダーの社員は、執行役員の男性上司からわいせつな言葉や性的な発言を投げかけられたそうです。
また、「2018年夏ごろには、男性上司から原告に対してセクハラについての謝罪があったが、『男だから平気だと思った』『これからはお前を一人の女性として見る』などと言われるなど、性同一性について理解を欠く内容」であったことが言及されました。
会社に相談するも…
セクハラに耐えかねたトランスジェンダーの社員は、会社のセクハラ窓口となっている弁護士に被害を相談し、下記の措置を行うことを約束されました。
(弁護士ドットコムニュースより引用)
会社は、原告からの相談・申告を受け、(1)2人の執務フロアを分離する、(2)男性上司を飲み会へ一切参加させない、(3)同じ事業部に配属しない、という措置を原告に約束。同年4月には、男性上司は懲戒処分として、執行役員を解任された。
しかし、男性上司と同じ事業部に配属される状態になるなど、約束した措置が徹底されませんでした。
記事によると「原告は2022年1月、精神疾患があるとの診断を受けて休職。2022年4月に復職したものの、精神的損害は大きく、男性上司との慰謝料請求に関する交渉も不調に終わったことから、訴訟提起をするに至ったとしている」と提訴の理由が語られています。
今回のハラスメントは「SOGIハラ」
トランスジェンダーの社員は、今回のハラスメントを、性的指向・性自認(SOGI)に関する差別や嫌がらせ「SOGIハラ」だと位置付けています。
また、「セクシャルマイノリティの方は、なかなか声を上げづらいし、声を上げても理解してもらえない状況にある。LGBTでも男性でも女性でも、『(ハラスメントを受ければ)被害は被害』という認識が広まってくれれば」とSOGIハラで悩んでいる人へメッセージを残しました。
弁護士からは…
(弁護士ドットコムニュースより引用)
原告代理人の仲岡しゅん弁護士は、女性に対するハラスメントについては「やってはいけない」と社会的に認知されてきている一方、トランスジェンダーの人に対するハラスメントについての認知は不十分と指摘。
そのうえで、「背景には面白がってやろうとする意図があったのではないか。男性も女性もトランスジェンダーも同じ。相手の性的指向・性自認で、『やっていい』『やっちゃいけない』というわけではない」と話し、訴訟を通じてトランスジェンダーに対するハラスメントに関する社会的な理解を広めていきたいと訴えた。
トランスジェンダーの社員の代理人弁護士からは、トランスジェンダーに対するハラスメントの認知は不十分なので、もっと理解を広めていきたいと語られています。
SNSの反応
本件に対しTwitterなどのSNSでは「あり得ない」「酷すぎる」「悪質すぎて言葉が出ない」といった声が寄せられています。
また「pixiv無理だわ」「この企業どうなってる?」と企業に対しての不満の声も見られました。
さらに、「会社の対応次第ではアカウントを消す」という声も挙がっており、「真面目な社員もいるのに、アカウント消すのはどうかと」「pixivを退会しろって人に強制するのは違う」などの意見も交わされています。
弁護士ドットコムニュースはこちら
「pixiv」を運営するピクシブに勤めるトランスジェンダーの社員が、男性上司からセクハラを受けたとして、男性上司及び同社に対して、慰謝料約555万円を求め、提訴することを明らかにしました。原告側は、性的指向・性自認に対するハラスメント「SOGIハラ」だとしています。https://t.co/RBpXWOD1hq
— 弁護士ドットコムニュース (@bengo4topics) May 27, 2022