『PSYCHO-PASS 3 FI』梓澤廣一役・堀内賢雄さんのオフィシャルインタビューが到着!
Wednesday 18:00
人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルSFアニメーション『PSYCHO-PASS サイコパス』。
シリーズ最新作『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』のBlu-ray&DVDの発売を記念し、3週に渡って連続インタビューが公開されます。
第1弾は、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの監督を務める塩谷直義さんのオフィシャルインタビュー。
本日6月17日には第2弾となる、梓澤廣一役・堀内賢雄さんのオフィシャルインタビューが到着しました。
狂気にも似たものを持つ難しい役どころを演じてみての感想や、登場キャラクターの印象、そして、梓澤を演じての手ごたえなど、キャラクターについて語られています。
梓澤廣一役・堀内賢雄さんオフィシャルインタビュー
――TVシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス 3(以下、PP3)』の印象をおきかせください。
『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズはとても人気だと聞いていたので、その最新作に出演できるということに演者としての喜びがありました。
――謎の組織〈ビフロスト〉のために、次々と事件を起こしていくファーストインスペクターの梓澤廣一という役どころをどのように捉えていましたか。
「悪役」だとは事前に聞いていたんですけど、第1話に「アイムハッピー」というセリフがあり、その段階では「掴みどころのない感じでやってください」という指示しかなかったので、いろいろなパターンが頭の中に浮かんじゃって悩んでしまいましたね。
でも、数テイクやっていくうちに「悪か善かわからない感じ」がだんだんできてきて、話数を重ねていくうちに彼の過去が見えてきた。
梓澤と(慎導)灼のお父さん(慎導篤志)との関係が出てきて、もしかしたら梓澤は心の中に何か傷があるのかなと。
そうやって、つかみどころのない人間を少しずつ掴んでいくのは、とても難しかったですけど、面白かったですね。
――梓澤は話数を重ねるごとにいろいろな姿が明らかになっていくキャラクターでした。第4話では格闘が強いことまでわかりました。
あまりに梓澤が強いので、音響監督から「あまり息を入れなくていいよ」って言われたんです(笑)。
彼の声がまた「アチャー」ですからね。いやあ、面白いキャラクターだなと思いました。
しかも、相手の榎宮春木に「選択」させたうえで死に追い込んでしまう。
自分は手を汚さない、(死を)選んだのはあなた……梓澤は本当にずるいですよね(笑)。
――〈ビフロスト〉のファーストインスペクター・梓澤は本シリーズ屈指の知能犯でした。
いままで僕もドラマなどで悪役をいろいろ見てきましたけど、一番キレている人物かもしれませんね。
シビュラシステムの監視をかいくぐって、自分の手を汚さないことで、色相を濁らないようにしているわけですからね。
相手に「選択」を突き付けるところに、怖さというか狂気にも似たものを感じていました。
でも、彼にとってはそれが日常なんです。すべてのことが想定内だから、それほど重く感じていない。ある意味で、天才なんだろうなと思いました。
それでも彼の心には埋まらない隙間のようなものがあって、彼の上昇志向は、その隙間を埋めようとしているからなんですよね。
その梓澤のセリフの中に、せつなさみたいなものを感じながら演じていました。
――梓澤のパートナーの小畑(千夜)ちゃんは、梓澤を罵倒する豪快な女性です。でも、梓澤は口の悪さを気にもせず、かわいがっている。ふたりの関係を、堀内さんはどのように受け止めていましたか。
すごいパートナーでしたね。小畑ちゃん(矢作紗友里さん)との掛け合いは、僕にとってもやりやすかったです。
インスペクターの地位的には、梓澤のほうが高いのに、なんでこんなに小畑ちゃんに威張られているのかなと思うんですが(笑)。
でも、梓澤は小畑ちゃんのことをものすごく信頼しているんですよね。
小畑ちゃんが失敗しても、梓澤は大丈夫大丈夫といって、絶対に怒らない。
ふたりの関係を(塩谷直義さん)監督に伺ったんですが、小畑はアパレルデザイナーだった経歴があって、趣味でハッキングをしていたらビフロストに行き着いてしまい、それをきっかけに梓澤が彼女をインスペクターとしてスカウトしたという過去があるそうなんです。
(慎導)灼と炯(・ミハイル・イグナトフ)がザイルパートナーと言われていますが、梓澤と小畑ちゃんの関係もザイルパートナーだなと思っています。
――灼や炯と対になる関係ということなんですね。
梓澤が小説「くるみ割り人形(とねずみの王様)」の内容を、小畑ちゃんに教えるシーン(第8話)では、彼の計画をさりげなく小畑ちゃんに伝えているんですよね。
でも、2人の会話がコミカルなので、あまり重くなく入ってくる。すごく素敵なシーンだなと思いましたね。
――梓澤と対峙する公安局の刑事たちの印象はいかがでしたか。
この作品は、すごく難しいセリフが多い作品だと思うのですが、役者さんがすごく上手に演じられているので、セリフの内容がしっかりと伝わってくる。これは役者さんの力が大きいと思います。
個人的に、好きだったのは廿六木(天馬)。彼の家族ってすごく優秀な一族なんですよね。そんな彼が強面な執行官になっている。そういう過去を丁寧に描いてくださっているのも素晴らしいなと思いました。
廿六木がドミネーターを持ったときに喜んでいるシーンはかわいすぎだろう、と思ったし(笑)、『PP3FI』で入江(一途)のオルゴールをイジるシーンがあって、ああこういうおじさんいるよなという感じがありました。
あと、入江も昔は不良なんですよね……。そうやって各自が主張をしながらも、行動する時はビシっとまとまる。そういう刑事らしい一面が魅力的でした。
――『PP3FI』では梓澤が公安局ビルを占拠します。『PP3FI』の印象はいかがでしたか。
小畑ちゃんが公安局ビルに拘留されてしまうのも、すべては梓澤の想定内。
このあたりの彼の行動は本当にすごいと思いました。公安局ビルの中では、小畑ちゃんの腕の見せ所もありますし、梓澤と小畑ちゃんとの関係も見せ場でしたね。
――今回、梓澤は、慎導篤志の息子の慎導灼と対峙します。
今回、慎導篤志と梓澤に何があったのかは、ご覧になった方が想像してもらえれば良いんだろうなと思っていました。
ただ、彼は執行官から、ファーストインスペクターまで上り詰めて、さらに上に行こうとしていた。
彼が自分の目指しているものを語ったときの表情は強烈でしたね。恐ろしくも見えたし、同時に恍惚にも見えた。
そうやって全てを計算して行動してきた彼が、今回2回だけ計算が狂ってしまう。その結末がせつなかったですね。とくに小畑ちゃんのラストシーンはすごく印象的でした。
――『PP3FI』では〈ビフロスト〉の正体が明らかになります。〈シビュラシステム〉が管理する社会に対して、どんな思いがありましたか。
もしかしたら、近未来にこういうAI的なものが管理する社会ができるのかもしれない。でも、絶対にそのシステムの裏をかいて利用しようとする人が出てくると思うんです。
まさに〈ビフロスト〉は〈シビュラシステム〉の裏をかいて犯罪を起こすことでゲームをしているわけですから、きっと近未来にもこういうことが起こるだろうなと思っていました。
でも、同時に〈ビフロスト〉の人たちは〈シビュラシステム〉の上をいくものを作ろうとしているのかなとも思ったんですよね。
――梓澤を演じて、どんな手ごたえを抱かれていますか。
梓澤は最後まで演じやすかったんですが、彼という人間を捕まえたかと言われると、すごく難しくて。本音としては大変だったなと。
でも、こんなに面白い役をやらせてもらうことはそうそうないですから、とてもやりがいがありました。
この作品のすごさは、いろいろな視点で作品を楽しめるということなんです。それぞれのキャラクターの立場からも、それ以外での見方もできる。
梓澤も「悪」だとは言い切っていないんですよね。そこがこの作品の深いところです。
――『PP3FI』をどのように楽しんでほしいと思っていますか。
シリーズの関連した話が随所に出てくるので、『PSYCHO-PASS サイコパス』ファンのみなさんは楽しめるのではないでしょうか。
ただ、梓澤にはまだ語ってもらわなくちゃいけないことがありますからね。
先日、梶(裕貴)くん(慎導灼 役)と「もしかしたら梓澤が執行官として復活するかもね」とも話したんです。
キャラクターが濃すぎると返されましたけど(笑)。今後、彼が何かを明かすときが出てくればいいなと思っています。
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