『劇場版 忍たま乱太郎』 第二回スタッフトークレポートが到着!こだわりの作画裏話が炸裂した師弟トークに
Thursday 11:18
![『劇場版 忍たま乱太郎』 第二回スタッフトークレポートが到着!こだわりの作画裏話が炸裂した師弟トークに](https://nijimen.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/08097c89c785a8102befed270fd6a971.jpg)
現在、全国で大ヒット公開中の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』。
ファンの間でも人気が高い小説版を原作とした本作は、興行収入20億円&観客動員数140万人を突破と、歴代『忍たま』映画の記録を塗り替える快挙を達成中です。
そんな今作の魅力をさらに深掘りするべく、2024年12月に劇場公開された本作について、監督・藤森雅也さんとキャラクターデザイン・新山恵美子さんによる“第二回スタッフトーク”が2025年2月6日(木)に新宿ピカデリーにて開催されました。
トークでは『忍たま』ならではのアクションシーンへのこだわりや、キャラクターの作画秘話が続々と明かされ会場は大盛り上がり! 今回は、イベントのオフィシャルレポートが届きましたので紹介します!
※本記事は『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』のネタバレを含みます。
『劇場版 忍たま乱太郎』 第二回スタッフトークレポートが到着!
イベント当日、スクリーンには新山さん描きおろしの六年生イラストが投影されると同時に盛大な拍手が沸き起こり、藤森監督と新山さんが持つ七松小平太のパペットがお出迎え。
実は藤森監督は、TV アニメ「忍たま乱太郎」初代キャラクターデザイナーを務めており、その後を引き継いだ新山さんとの“師弟関係”とも言えるトークは、冒頭からほっこりした雰囲気で進行しました。
まず話題になったのは、一年生以外のキャラクターの頭身について。今回、TVアニメ版より少し高めに設定されたことで、「対比で、は組(一年生)たちがさらに小さく見える。より可愛さが増している!」と藤森監督が語ると、新山さんも「土井先生が伸びたのか、きり丸が小さくなったのか……とにかくきり丸が可愛い!」と、制作時の裏話を大いに盛り上げました。
冒頭シーンでは土井先生 vs 諸泉尊奈門が大迫力で描かれていますが、監督は「チョークの投げ方、出席簿の使い方は“土井先生の流儀”として天鬼と揃えたかった」と明かしつつ、投げ方のコマ数にもこだわりをいれたとか。
これを受けて新山さんは「出席簿はボロボロになるまでの変化をきちんと繋げるため、傷の量を少しずつ増やして描き込んだ」と苦労話を披露。監督も「ちゃんとしてるな~と思って観てた」と、新山さんの職人技を絶賛していました。
さらに、ファンが「普段と違うシリアスな雰囲気に燃える……!」と盛り上がったのが天鬼 vs 六年生のシーン。
藤森監督は、「ヒーローものの出撃シーンみたいな構成で描きたかった。六年生はギャグだけじゃない優秀な一面を見せたかったんです」と口にしていました。
普段はおふざけ要素のある六年生ですが、本作では泥臭い接近戦からクールな間合いの取り合いまでアクション多彩。
中でも善法寺伊作の“傷”が少しずつ増えていく描写では「血の形が都道府県に見えないよう気をつけた(笑)」という新山さんの裏話が飛び出し、会場からも思わず笑いがこぼれていました。
後半の見どころとなる山田利吉 vs 雑渡昆奈門のアクションシーンは、アクション作画監督・関根昌之さんが担当。
監督いわく、「空中で自在に軌道を変える“雑渡ドリル”は“人間離れした雑渡”を表現したかった」とのこと。
「僕の無茶振りを、ちゃんと描いてくれた関根くんは本当にすごい!」と、絶対に真似できない動きの秘密が語られ、ファンの期待がさらに高まるコメントとなりました。
トークの後半では、お互いのお気に入り作画を紹介し合うコーナーがスタートし、藤森監督が選んだのは忍術学園を出発する土井先生の表情。
頭身が変わった土井先生を「いかにも土井先生らしい優しい雰囲気」に仕上げてくれた、と感謝の言葉を述べていました。
潮江文次郎が土井先生捜索の折に見せた「しょぼしょぼな顔」では、「『言いたくねーんだよ俺も』という感じの表情がいいよね。これぞ100点満点の表情」と、監督は大絶賛。
きり丸を囲む六年生のカットでは、特に立花仙蔵の「しょっぱい表情」が注目ポイントだそうで、「こういうのが良いんだよね、普段ちょっと見ないしょっぱい表情がすごくいい」と評価。
新山さんは「ここは作画監督が谷口(亜希子)さんなのですが、メモに『ここは絶対にコンテの絵のままでやりたい!』と書いてあったので、私もそう思い描いたカットです。藤森さんのコンテが良かったんですよ」と返しました。
最後に挙げたのは土井先生の不在に落ち込むきり丸と、対峙する山田先生、そして学園長の優しい表情のカットで、藤森監督は「きり丸がとにかく落ち込んでいるんですが、きり丸を見せずに二人の目線の芝居で表現しています。話しかける時の山田先生の表情がいいんだよね」と語りました。
続いて、新山さんがお気に入りのシーンを3つ紹介。
は組で行う2回目の授業で尊奈門が教壇に立ったシーンでは、藤森監督の大胆なカット割りに驚愕したエピソードを披露。
藤森監督は「授業のシーンなんだけどサスペンスのように作ろうと思って。斜めの構図や広角を使って緊張感を出しました」と自論を展開します。
続いて紹介されたのは土井先生の記憶が戻るシーン。「大好きなシーンなのですが、は組が通り過ぎるワイプだけが早くて、知っているのに目で追えないんですよ。今日はここの原画を見せられたらなと思って……」と、回想シーンで一瞬スクリーンを駆け抜けていくは組の生徒たちの原画を披露し、会場からは拍手が送られました。
最後に新山さんが上げたのはひっくりかえる稗田八方斎を顎の下から写したカット。
こちらは藤森監督がレイアウトしたカットで、新山は「八方斎って鷲鼻じゃないですか。(下から)煽ると鷲鼻ってどうなるんだろうという話になったのですが、ここまでひっくり返されると何だかわからなくなってしまって。こういう美しくも難しいシーンはアニメーター藤森雅也ではないと描けないカットだと思っています」と絶賛しました。
トークの締めくくりでは、それぞれ作品への思いを語る場面もあり、新山さんは「体調を崩した直後だったので不安もあったのですが、『監督と一緒に『忍たま』をやる!』という気持ちで乗り越えました。スタッフ全員が監督の人柄や仕事が大好きで、“ついていきたい”と思える現場でとても楽しかったし、たくさんの方に愛される作品になって嬉しいです」と述べました。
藤森監督は「制作スタッフもギリギリまで粘って、役職を忘れるぐらい熱心に取り組んでくれました。皆さんに楽しんでいただけて私も本当に嬉しいです。これからもぜひ『忍たま乱太郎』を応援よろしくお願いいたします!」と口にし、イベントは無事幕を閉じました。
イベント概要
日時:2025年2月6日(木) 20:28〜21:18(上映後)
場所:新宿ピカデリー スクリーン1
登壇者(敬称略):藤森雅也(監督)・新山恵美子(キャラクターデザイン)